ビットコイン最悪のシナリオ──トランプ演説が暴いた市場の脆弱性【エックスウィンリサーチ】

● トランプ演説を起点に株・暗号資産が急落、原油は+11%で急騰
● VIX約25、流動性低下で市場は「価格下落+取引困難」フェーズへ
● CME先物OI構造から、BTCは中期で-60〜70%調整リスクを内包

2026年4月1日のトランプ大統領による対イラン演説は、市場の前提を大きく変化させた。「今後2〜3週間で極めて激しい攻撃を行う」という発言により、それまで市場が織り込んでいた早期終戦シナリオは完全に否定され、リスク資産は急速に売られる展開となった。

実際の市場反応は明確である。米株は一時的に大きく下落し、S&P500・ダウともに日中で数%規模の下げを記録した後、引けにかけて買い戻され、最終的にはS&P500が-0.23%、ダウが-0.39%の下落にとどまった。アジアではより強く反応し、KOSPIは-4.2%、MSCI新興アジア指数は-2.3%の下落を記録した。

一方で原油は急騰し、WTIは+11.41%の111ドル台まで上昇、ブレントも+7%超上昇した。ドル指数は+0.48%上昇し、USD/JPYは159円台へと円安が進行した。

この動きは単なる地政学リスクではない。原油上昇を通じたインフレ再加速、ドル高による流動性収縮という「マクロ環境の再引き締め」が同時に進行している点が本質である。実際、VIXは約25まで上昇し、債券(MOVE)やコモディティ(OVX・GVZ)も危機水準に到達、さらに米2年債入札ではスプレッドが前月比+27%拡大するなど、流動性低下が顕在化している。

ここで重要なのが、添付チャートが示すCME先物のオープンインタレスト構造である。現在のビットコイン市場は、満期1〜3ヶ月の短期先物にポジションが集中し、総OIは約18万〜20万BTC規模と過去最高圏にある。

これは価格形成が現物需要ではなく、レバレッジポジションに依存していることを意味する。特に短期満期に偏った構造では、外部ショック時にロールではなく清算が起きやすく、価格下落→強制ロスカット→さらなる下落という連鎖が発生する。

今回のように
・原油+10%超
・ドル高進行
・ボラティリティ急上昇
という環境では、この清算構造が一気に顕在化するリスクがある。

シナリオ別に見ると、軽度ではBTCは70万ドルから60万ドル(-15%)程度の調整に留まる。しかし重度シナリオでは、現在のOI水準とレバレッジ構造を踏まえると、清算連鎖により50万ドル付近(-25〜30%)までの下落は十分に現実的である。

さらに中期的には、ETFフローの逆回転と現物需要の減速が重なることで需給は一段と悪化し、BTCは30万ドル〜20万ドル(-60〜70%)レンジまでの調整も視野に入る。

そして猛烈シナリオ、すなわちホルムズ海峡の完全封鎖が長期化、もしくは全面戦争へ発展した場合には、グローバル流動性そのものが崩壊する。この場合、株式市場が-30%超下落、原油が150〜200ドルに達する環境下で、BTCは10万ドル近辺(-80%超)まで急落するストレスケースも想定される。

重要なのは、この下落が単なる価格調整ではなく「市場構造の問題」である点だ。すでに伝統市場でも流動性低下が観測されているが、暗号資産市場ではそれがより極端に現れる。

ビットコインは安全資産ではない。
流動性とレバレッジに依存する資産であり、ショック時には最も大きく動く。 今回のトランプ演説は、その構造を可視化したイベントであり、市場は今、「方向性」ではなく「耐久性」を試されるフェーズに入っている。短期的な反発はあっても、それが持続するかどうかは、ETFフローと実需の回復にかかっている。

◆ショート動画
ビットコイン最悪のシナリオ──トランプ演説が暴いた市場の脆弱性
https://youtube.com/shorts/eogo78vzIq8

オンチェーン指標の見方

CME先物のオープンインタレストとは、CMEで未決済のビットコイン先物契約がどれだけ積み上がっているかを示す指標です。価格上昇とともにオープンインタレストも増えている場合は、新規資金が流入しながらトレンドが強まっている可能性があります。一方で、価格が横ばいまたは下落しているのにオープンインタレストだけが高水準で積み上がる局面は、レバレッジポジションが過剰に膨らみ、市場が不安定になっているサインと解釈できます。

特にCMEは機関投資家の利用が多いため、この指標は「機関マネーがどの程度先物市場に関与しているか」を見るうえでも重要です。また、満期の短いゾーンに建玉が集中している場合は、ロールオーバーや清算の影響を受けやすく、外部ショック時に値動きが一気に増幅されやすくなります。つまりCME先物のオープンインタレストは、単なる参加者の多さではなく、「今の上昇や下落がどれだけレバレッジに支えられているか」と「将来の清算リスクがどれだけ大きいか」を測るための重要なオンチェーン周辺指標です。

PR

ボーナスで始めるのにおすすめな国内暗号資産取引所3選

取引所名特徴

Coincheck
500円の少額投資から試せる!】
国内の暗号資産アプリダウンロード数.No1
銘柄数も最大級 、手数料も安い
無料で口座開設する

bitbank
【たくさんの銘柄で取引する人向け】
◆40種類以上の銘柄を用意
◆1万円以上の入金で現金1,000円獲得
無料で口座開設する

bitFlyer
初心者にもおすすめ】
◆国内最大級の取引量
◆トップレベルのセキュリティ意識を持つ
無料で口座開設する
Sponsored
「価値の流れは、必ず変わる」大手コンサルからWeb3へ──HashPort吉田世博氏が見据える次の金融インフラの姿とは
ブロックチェーンは「価値の流れ」をどう書き換えるのか。万博デジタルウォレットを手掛ける吉田氏が語る、2026年の金融インフラ。
提供:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社