カリフォルニア工科大学(Caltech)と関連スタートアップのOratomic3月31日、実用的な量子コンピューターの構築に、従来予測されていた「数百万個」を大幅に下回る「わずか1万個」程度の量子ビットで十分だとする研究結果を発表した。
これほど少ない量子ビットですむ理由は、「中性原子」を量子ビットとして利用するアーキテクチャにある。光ピンセットと呼ばれるレーザーを使って原子を自在に移動させ、離れた原子同士を直接接続・量子もつれ状態にできる点が、従来の超伝導回路やイオントラップ方式と大きく異なり、この動的な移動能力により、1つの論理量子ビットのエンコードに必要な物理量子ビット数を、従来の約1000個から5個程度にまで削減できる「超効率的な誤り訂正」を実現した。
この成果により、量子コンピューターは理論上、2030年代末までに実用化される可能性があるとしており、これは従来の予測である「あと10年〜20年」を大幅に前倒しするものだ。
このニュースは、直前のGoogle(グーグル)の発表とも合致する。Googleはその前日、量子コンピューターがビットコインの暗号をわずか9分で解読できる可能性があり、当初の想定よりはるかに少ない計算能力で足りると主張する論文を公開した。さらにGoogleは2029年を量子耐性暗号(PQC)への移行期限と設定し、今すぐ対応するよう開発者に呼びかけていた。
Caltechの研究者たちは、この進展が現在の暗号通信インフラ(RSAや楕円曲線暗号など)を予想以上に早く脅かす可能性があるとして、ポスト量子暗号への迅速な移行の重要性を強調している。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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