Google(グーグル)は2026年3月31日に公開したブログ記事とQuantum AIチームによる新たなホワイトペーパーで、ビットコインの量子耐性リスクが「想定より早く顕在化する可能性」について言及した。今回の発表で重要な点は、ビットコインが依存する楕円曲線暗号(ECDSA)の解読コストが、従来広く引用されてきた基準より大幅に低い点を明確にしたことにある。
研究者たちは、ビットコインとイーサリアムで使用されている暗号を解読するには、50万個未満の物理的な量子ビット(キュービット)で済む可能性があることを発見した。これは、近年よく言われている「数百万」という数字をはるかに下回る。
また、セキュリティ向上やプライバシー保護のために導入された「Taproot(タップルート)」アップデートが皮肉にも弱点になりそうだという。Taprootはプライバシーと効率性を向上させた一方で、公開鍵をデフォルトでブロックチェーン上に公開するようになり、従来のアドレス形式で使用されていた保護層が失われた。
特に危険なのは、過去に一度でも送金して公開鍵が露出したアドレスや旧式のアドレスだ。量子コンピューターが十分な規模に達すれば、送金の署名データから秘密鍵を逆算し、送金途中のBTCを掠め取る攻撃も理論上可能になるという。
ホワイトペーパーによると、何らかの形で公開鍵が露出しているアドレスに含まれるビットコインは、約680万BTC(約4700億ドル、約75兆2000億円:1ドル=160円換算)に上ると推定されている。これは以前にCoinSharesが推定した約1万BTCよりもはるかに多い。
Google自身は、自社インフラの量子耐性(PQC)への移行期限を2029年に設定した。ビットコインネットワークも量子耐性を持つ新しいアドレス形式への移行が提案されている。「量子脅威はまだ先の話」という楽観論は、今回の発表で修正を余儀なくされるだろう。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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