● ビットコインの6カ月連続下落は歴史的に稀で、発生時は市場構造の歪みが背景にある
● 今回は売り圧ではなく需要不在が主因で、過去と異なる「流動性停止型」の下落
● SOPRは完全な降伏に至っておらず、底打ちには資金流入の回復が必要
ビットコイン市場は現在、極めて重要な局面に差し掛かっている。2026年3月がこのままマイナスで終えた場合、月次ベースで「6カ月連続下落」という極めて稀な事象が成立する可能性がある。このような長期連続の下落は、単なる価格調整ではなく、市場構造そのものに歪みが生じている局面でのみ観測されてきた。
CryptoQuantのオンチェーン指標、特にSOPR(Spent Output Profit Ratio)を基軸に過去と比較すると、その意味合いはより明確になる。添付のチャートが示す通り、これまで長期の連続下落が発生したのは主に2回である。
1つ目は2014年。約4カ月にわたる連続下落が発生したこの局面では、Mt. Goxの破綻が引き金となり、ビットコイン市場そのものの信頼が大きく毀損された。SOPRは大きく乱れ、損益の判断以前に「市場が正常に機能していない」状態が続いた。これは価格の問題ではなく、インフラそのものの崩壊であった。
2つ目は2018年8月から2019年1月にかけての6カ月連続下落である。この局面は2017年のICOバブルの崩壊後に位置し、過剰な投機資金の清算が進行した。SOPRは長期間にわたり1を下回り、含み損を抱えた投資家の損切りが連鎖的に発生した。いわゆる「キャピチュレーション(降伏)」が明確に観測された局面であり、市場は一度完全にリセットされた。その後、2019年には明確なトレンド転換が起きている。
そして現在、2025年10月以降の下落局面は、これらとは異なる特徴を示している。SOPRは確かに1付近から下方に位置しているものの、2018年のように長期間にわたり明確に1を下回り続ける状態には至っていない。つまり、損切りは発生しているものの、「完全な降伏」には至っていない状態といえる。
ここに今回の本質がある。過去は「売りが止まらない市場」であったのに対し、現在は「買いが来ない市場」である。オンチェーン上でも、取引所残高は減少し供給はロックされつつある一方、Coinbase Premiumの低迷やETFフローの不安定さが示すように、新規資金の流入が明確に不足している。アクティブアドレスの低下も含め、需要側の弱さが市場を支配している。
このように整理すると、今回の6カ月連続下落は「崩壊」ではなく「停止」に近い状態といえる。インフラは整備され、制度的な受け皿も存在する中で、それでも資金が入ってこない。この構造は過去には見られなかったものであり、従来のキャピチュレーション型の底打ちとは異なるプロセスを辿る可能性がある。
重要なのは、ここからの分岐である。過去の例では、長期連続下落の後には必ず大きなトレンド転換が訪れている。しかし今回は、SOPRが示すようにまだ「完全なリセット」には至っていない。したがって、短期的にはもう一段の需給調整が続く可能性も否定できない。
一方で、ETFフローの持続的な回復、Coinbase Premiumのプラス転換、そしてオンチェーン活動の回復が確認されれば、これまで抑制されていた需要が一気に顕在化する可能性もある。その場合、価格は過去同様に急激な反転を見せる可能性が高い。 現在のビットコイン市場は、「歴史的な弱さ」と「構造的な強さ」が同時に存在する、極めて特異な局面にある。6カ月連続下落という事象そのもの以上に、その内側で何が起きているのかを読み解くことが、次のトレンドを見極める鍵となる。
◆ショート動画
6カ月連続下落は何を意味するのか──過去との比較で見える市場構造の違い【エックスウィンリサーチ分析】
https://youtube.com/shorts/0Ys7LLvdmvs?feature=share
オンチェーン指標の見方
SOPR(Spent Output Profit Ratio)は、コインが移動した際に「利益で売られたか、損失で売られたか」を示す指標。1を上回ると利益確定が優勢、1を下回ると損切りが優勢であることを意味する。トレンド中は1がサポート/レジスタンスとして機能し、市場心理の転換点を示す。長期間1を下回る状態はキャピチュレーション(降伏)を示し、底打ち局面でよく観測される。

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