JPモルガン、米S&P500指数が12カ月以内に過去最高値を更新すると予測──ビットコイン価格への影響は【価格分析】

●中東の緊張にもかかわらず、JPモルガン・チェースはS&P500が12カ月以内に約20%上昇すると予想している。

●戦争を背景としたAI、サイバーセキュリティ、ソフトウェアへの支出が、ビッグテック企業の収益とバリュエーションを押し上げる可能性がある。

●株式、原油、ビットコイン間の相関関係の高まりは、特定の条件が満たされれば、暗号資産(仮想通貨)に上昇余地があることを示唆している。

JPモルガン、S&P500の20%上昇を見込む:原油高が2026年のサイクルを狂わせる可能性は低い

米国の銀行・投資大手JPモルガン・チェースは、中東での紛争時における市場の歴史的な回復力と企業収益の見通しの改善を理由に、S&P500が今後12カ月間で約20%上昇すると予想している。

報告書によると、現在のエネルギー市場のボラティリティが、より広範な2026年の景気循環を混乱させるほど長く続く可能性は低いという。

原油価格は今年急騰しているが、ストラテジストらは、供給ルートが正常化し地政学的緊張が安定するにつれて、この急騰は一時的なものにとどまる可能性があると考えている。

現在、S&P500は6591で取引されており、2026年に入ってから4.1%下落している。一方、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油は1バレルあたり92ドル付近で取引されており、年初来で約60%上昇している。

テクニカル指標によると、このコモディティ(原油)は50日、100日、200日移動平均線を上回って取引されており、長期移動平均線間でゴールデンクロスが発生している。これは一般的に、持続的な上昇モメンタムの兆候と解釈される。

「…今回の原油高が景気循環を終わらせる確率は引き続き低い。」 – マイク・ウィルソン氏(モルガン・スタンレー最高投資責任者 兼 米国株式チーフストラテジスト、2026年3月23日)

予測市場もこの見方を裏付けているようだ。ホルムズ海峡の交通が4月末までに正常化するかどうかを追跡するポリマーケット(Polymarket)上の120万ドルの市場では、その確率が先週の24%から3月25日には35%へと上昇し、改善の兆しを見せている。

一方、原油が年末時点で100ドルを上回って引けるかどうかを追跡する別の市場では、確率が直近のピークである94%付近から80%前後へと低下している。

この変化は、トレーダーたちが、エネルギー市場が120ドルに向けて急騰するのではなく、年間を通じて現在のピークである100ドル付近で安定するとの見方を強めていることを示唆している。

歴史的な市場の回復力と軍事AI支出の急増が強気シナリオを後押し

S&P500は米国のテクノロジーやソフトウェアの大手企業の比重が高く、これらのセクターは工業や製造業などの比重が高い産業に比べて原油の投入コストに敏感ではない傾向がある。この構造により、同指数は歴史的に地政学的ショックの後に急速に回復することができた。

(過去10年間のS&P500の年間パフォーマンス | 出所:macrotrends.net)

過去の中東における紛争もこのパターンを反映している。

1991年の湾岸戦争では、S&P500は侵攻直後に約16%下落したが、その後1991年中に26%から29%急上昇した。2002年のイラク戦争開戦時にも同様の動きが見られた。S&P500は侵攻を前に23%下落して弱含んでいた状態から回復し、その後の1年間で約26.7%反発した。

より最近の紛争も同等の回復力を示している。2023年のイスラエル・ハマス戦争では、市場は初日に一時的に下落したものの、3カ月以内に約10%反発した。

同様に、イランとの紛争エスカレーション時にも、米国の代表的な株価指数はわずか1%の小幅な下落を記録した後、急速に回復した。

歴史的なパターンにとどまらず、戦時の財政政策がテクノロジー企業にさらなる追い風を生み出している。

米国国防総省の2026年度予算では、全軍の自律型および無人システムに98億ドルが割り当てられ、デジタルインフラ、サイバーセキュリティ、AI主導の作戦にさらなる資金が投じられており、テクノロジー比重の高いS&P500を構成する複数企業がその恩恵を受けている。

(2026年3月25日時点の米軍契約 | 出所:米国陸軍省)

国防計画には、ITおよびサイバー空間イニシアチブのための661億ドルが含まれており、AIの統合と電子戦能力の加速を目的として2.8%の増加を記録している。

さらに、自動化および人工知能の研究に特化して2億ドルが割り当てられ、サイバーセキュリティへの支出は、予測型脅威検知システムを中心に総額151億ドルに達している。

このような政府需要の急増は、AIプラットフォームやエンタープライズ・ソフトウェア・システムを構築する企業を直接支援する可能性がある。

2025年7月、米国防総省(ペンタゴン)は、国家安全保障のためのエージェントシステム開発を目的として、OpenAI、Anthropic、Google、xAIに対し、それぞれ最大2億ドルに上る契約を授与した。

現在進行中の戦争に関連する大型の軍事契約による支援は、今年初めにAIセクター内で浮上したバリュエーション(企業価値評価)に対する懸念を和らげる可能性がある。

JPモルガンによる企業収益見通しの改善と相まって、これらの要因は今後1年間における米国のテクノロジー株の継続的な上昇というシナリオを強化するものである。

S&P500が7900に向けて上昇した場合、ビットコイン価格はどう反応するか

原油価格は依然として世界市場全体の短期的なセンチメントの重要な推進力であり、最近のデータはビットコインが追い風を受ける態勢にある可能性を示唆している。

TradingViewのデータによると、ビットコインと原油の相関関係は0.63へと急激に上昇し、わずか30日前のマイナス0.37から反転した。

この変化は、エネルギー価格が短期的において高止まりした場合、BTCがコモディティやリスク資産に結びついたより広範なマクロのモメンタムの恩恵を受ける可能性があることを示唆している。

(ビットコイン(BTC)価格とWTI原油の相関関係 | 出所:TradingView、2026年3月25日)

同時に、過去1週間でビットコインとS&P500との相関関係はマイナス0.77からマイナス0.44へと移行しており、リスク選好の改善に伴い、暗号資産市場と株式市場が徐々に連動しつつあることを示している。歴史的な傾向として、ビットコインは米国株の上昇局面において相関を強める傾向がある。

(ビットコイン(BTC)とS&P500(SPX)の価格相関係数 | 出所:TradingView、2026年3月25日)

JPモルガンの20%上昇という予測が現実のものとなれば、S&P500は現在の水準から7900付近に達することになる。このような動きは、暗号資産を含むグロース資産への資金流入の増加と重なる可能性がある。

歴史的な相関関係が0.50〜0.60であることから、S&P500に対するビットコインのベータ値は通常3倍から5倍の範囲となる。

株式が20%上昇すれば、数学的にはBTCが60%から100%急伸することが予測され、年末の目標価格は11万4600ドルから14万3300ドルの間になることが示唆される。

これは、ニコラオス・パニギルツォグロウ氏率いるJPモルガンの調査チームが2025年11月に発表した2026年のBTC価格予測である17万ドルよりも、より保守的な見通しとなる。

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