● BTCと株式の相関は2025年10月以降に崩れ、低相関・逆相関局面へ
● 約7万BTC規模のOI消失が市場構造を変化させ、回復も遅延
● 直近は地政学リスク下で「株安・BTC高」の逆転現象が発生
CryptoQuantのアナリストであるDarkfost氏 @Darkfost_Coc によると、ビットコインとS&P500の相関関係は2025年10月以降、大きく変化している。従来、ビットコインは株よりも値動きが激しい資産として、株式市場と高い連動性を持つと見られてきたが、足元ではその関係が崩れ、30日相関はマイナス圏にまで低下するなど、異例のデカップリング局面に入っている 。
この構造変化の起点となったのが、2025年10月10日〜11日に発生した大規模な清算イベントである。この局面では約190億ドル規模のレバレッジポジションが解消され、デリバティブ市場のオープンインタレスト(OI)は約7万BTC分消失したとされる。
この出来事の本質は単なる価格下落ではなく、「市場のリスク許容度の低下」である。急激なレバレッジ縮小は流動性供給機能を弱め、その後のトレーダーの再参入を鈍らせた。実際、清算後もOIは回復が遅れ、オプション市場では下落ヘッジ需要が高止まりするなど、防御的なポジションが続いている。
一方で、同時期の株式市場は対照的な動きを見せた。S&P500はAI関連銘柄を中心に堅調に推移し、企業業績主導の上昇トレンドを維持した。つまり、株式市場はファンダメンタルズ主導、暗号資産市場は流動性とレバレッジ主導という、異なるドライバーで動いていたのである。
さらに、この乖離を加速させたのがETFフローである。2025年後半以降、ビットコインの現物ETFからは資金流出が観測され、機関投資家のリスク選好の低下が明確となった。ETFはこれまで資金流入の入口であると同時に、出口としても機能することで価格の下押し圧力となった。
こうした構造の中で、直近ではさらに興味深い動きが確認されている。それが、イラン情勢の悪化を受けて「株式が下落する一方で、ビットコインが上昇する」という逆転現象である。
通常、地政学リスクが高まる局面では、株式は下落する傾向がある。今回もイラン情勢の悪化を受け、S&P500は下押し圧力にさらされた。背景には、エネルギー価格の上昇によるインフレ圧力の再燃がある。これにより金利上昇懸念が強まり、企業の資金調達コストの上昇や消費減速を通じて、企業業績の悪化リスクが意識された。
一方でビットコインは、こうした環境下でも相対的に底堅い動きを見せた。これは「安全資産」として評価されたというよりも、株式市場からの資金の一部が、短期的な分散先としてビットコインへシフトした可能性を示唆している。
つまり今回の動きは、「株式 → ビットコイン」という資金の一部移動によって説明できる。従来のように株式とビットコインが同方向に動くのではなく、資金循環の変化によって逆方向の動きが生まれている点が重要である。
また、ビットコイン市場ではすでにレバレッジが整理されていたことも重要である。清算後の低レバレッジ環境では、下落圧力が相対的に軽く、外部資金の流入が価格に反映されやすい構造となっている。これが、株式と逆方向に動く一因となった可能性が高い。
このように、現在のデカップリングは単なる一時的な乖離ではなく、「流動性」「レバレッジ」「資金フロー」という複数の要因が重なった結果である。
今後の焦点は3点である。第一にETFフローの継続性、第二にOIの健全な回復、第三にマクロ環境の変化である。特に地政学リスクや金利動向が変化した際に、ビットコインがどの資産と連動するのかは重要な観測ポイントとなる。
現在の市場は「同調」ではなく「分断」のフェーズにある。しかしそれは異常ではなく、新たな資金循環と市場構造が形成されつつある過程と捉えるべきである。
オンチェーン指標の見方
オープンインタレスト(OI)とは、未決済の先物・デリバティブポジションの総量を示す指標です。OIが増加すると、新規資金やレバレッジが市場に流入していることを意味します。一方でOIが減少すると、ポジション解消や清算が進み、資金が市場から抜けている状態です。価格とOIを組み合わせて見ることで、「トレンドの強さ」や「過熱・清算リスク」を判断できます。


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