米決済大手PayPal(ペイパル)は、米ドル連動型ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」を世界70市場に拡大すると発表した。これにより、同社のユーザーおよび加盟店は、より迅速かつ低コストで国際送金や決済を行うことが可能になる。
今回の拡大は、デジタル化が進むグローバル経済において、従来の決済インフラが抱える課題への対応を目的としている。ペイパルによれば、既存の国際送金システムは手数料が高く、処理に時間がかかるなど、現代のニーズに十分対応できていない側面があるという。PYUSDの導入は、こうした問題を解決し、より効率的な資金移動を実現する手段として位置付けられている。
新たに対応する市場のユーザーは、ペイパルアカウントを通じてPYUSDの購入、保有、送受金が可能となる。さらに、ペイパル内での送金に加え、外部のデジタルウォレットへの送金にも対応しており、国境を越えた資金移動がよりスムーズになる。利用者は必要に応じてPYUSDを現地通貨へ換金することもでき、日常的な支払いにも活用できる仕組みとなっている。
また、一部の対象ユーザーには、PYUSDの保有に応じた報酬が提供される仕組みも用意されている。ただし、この報酬制度は地域によって利用可否が異なり、すべての市場で一律に提供されるものではない。
企業側にとっても、PYUSDの導入は資金管理の効率化につながる可能性がある。従来の決済では、売上の入金までに数日から数週間を要するケースもあったが、PYUSDを利用することで数分単位での決済が可能になるとされる。これにより、キャッシュフローの改善や運転資金の効率的な活用が期待されるほか、越境取引におけるコスト削減にも寄与するとみられている。
PYUSDは2023年に米国で提供が開始されて以来、段階的に機能と利用範囲を拡大してきた。今回の70市場への展開は、その普及をさらに加速させる重要なステップとされている。対象地域には、アジア太平洋、欧州、中南米、北米が含まれ、コロンビア、ペルー、シンガポール、英国、米国などが具体例として挙げられている。なお、一部の市場については今後数週間以内に順次対応が進められる予定だ。
PYUSDは、米国の規制下で発行されるステーブルコインであり、Paxos Trust Company(パクソス・トラスト・カンパニー)が発行主体となっている。準備資産は米ドル預金や米国債などで構成されており、1PYUSDを1米ドルで交換可能とする設計が採られている。また、ペイパルはニューヨーク州金融サービス局の認可を受けており、規制環境の中でサービスを提供している。
ペイパルは、ステーブルコインがグローバルな資金移動の効率化と金融アクセスの拡大に寄与するとみており、PYUSDの普及を通じてより包括的な経済システムの構築を目指している。今回の展開は、同社が掲げるグローバルコマースの進化に向けた取り組みの一環といえる。
|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock
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