米フィンテック企業Ironlight Group(アイロンライト・グループ)は、トークン化証券の発行・取引インフラの拡大を目的として、シリーズAラウンドで2100万ドル(約32億5500万円、1ドル=155円換算)を調達したと発表した。調達資金は、同社が構築する規制準拠のデジタル証券マーケットプレイスの拡張に活用される予定だ。
今回の資金調達には、TD Bank(TDバンク)の元社長兼CEOであるGreg Braca(グレッグ・ブラカ)氏のほか、Sei Development FoundationやLaidlaw Private Equityなどの機関投資家が参加した。
トークン化証券市場向けの取引基盤
アイロンライトは、ブロックチェーン技術を利用した証券の発行、取引、決済を一体化したマーケットプレイスを構築している。同社のブローカーディーラー子会社であるIronlight Markets(アイロンライト・マーケッツ)が、この市場の中核となる取引システムを運営する。
このプラットフォームは「ATS(Alternative Trading System:代替取引システム)」として運営され、米国証券取引規則に基づき、米証券取引委員会(SEC)のRegulation ATS(代替取引システム規制)とFINRA(米金融取引業規制機構)の監督下にある。ATSは証券取引所とは異なる形態の取引システムで、特定の金融商品を電子的に売買できる市場として機能する。
アイロンライトのシステムでは、従来の中央集権型オーダーブックとブロックチェーンベースの決済を組み合わせることで、取引後の清算・決済をオンチェーンで直接行う仕組みを採用している。
伝統的金融とブロックチェーンの融合
アイロンライトのプラットフォームは、プライベートエクイティ、債券、プライベートクレジット、不動産など、さまざまな資産のトークン化証券を対象としている。こうした資産をブロックチェーン上でトークン化することで、従来の資本市場の仕組みとデジタル資産技術を統合する狙いがある。
アイロンライトのCEOであるRob McGrath(ロブ・マクグラス)氏は、「当社は、金融機関が採用できる形で資本市場の基盤を近代化することを目的として設立された」と説明した。今回の資金調達により、米国の規制枠組みの中で発行、流通、取引を統合した市場の構築を加速するという。
規制環境も変化
トークン化証券を巡る規制の整理も進んでいる。SECのHester Peirce(ヘスター・ピアース)委員は先日、特定のトークン化証券の取引を対象とした限定的な「イノベーション免除」の検討が進んでいることを明らかにした。
また米連邦準備制度理事会(FRB)は、銀行がトークン化証券を扱う場合でも、既存の証券と同じ規制を適用するべきだとの見解を示している。これは、金融規制が技術に依存しない「テクノロジー中立」の原則に基づくものだ。
こうした規制の明確化は、伝統金融機関がトークン化資産市場へ参入する動きを後押ししている。
トークン化された現実資産(RWA)市場は近年、急速に拡大している。RWA.xyzのデータによると、市場規模は現在約260億ドルと推計されている。このうち最大の分野はトークン化米国債で、約112億ドルを占める。
|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock
PR
ボーナスで始めるのにおすすめな国内暗号資産取引所3選



