日本発のブロックチェーンとして知られるAstar Network(アスターネットワーク)は16日、トークンエコノミクスの大規模な再構築を発表した。これまでの無制限なインフレ型供給モデルを廃止し、ASTRトークンの最大供給量を100億枚に固定する新たな枠組みへと移行する。
この変更は、16日の週から順次適用されるという。プロトコルレベルで「減衰因子(Decay Factor)」を導入し、ブロックごとのトークン発行量をアルゴリズムに基づいて段階的に削減。最終的に100億枚の供給上限へと収束させる仕組みだ。
発表によると、現在のインフレ率は約3%だが、新モデルではネットワークのステーキング参加状況に応じて動的に調整される仕組みを採用。ガバナンス主導のトークンバーン(焼却)メカニズムにより、実質的な供給上限はさらに下回る可能性もあるという。
日本の「デジタル元年」への適応
今回の再構築は、金融庁が推進する規制改革と深く連動している。
片山さつき財務大臣が2026年を「デジタル元年」と位置づけて推進するこの規制改革では、暗号資産(仮想通貨)を「金融商品取引法」下の金融商品として再分類し、売却益に対する課税の軽減や主要銀行による暗号資産の取引・カストディサービス提供を可能にする制度整備が進められている。
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アスター財団責任者のマールテン・ヘンスケンス(Maarten Henskens)氏は、「日本は世界で最も体系的なデジタル資産規制を構築している」とコメント。固定供給への移行による経済的な予測可能性こそが、機関投資家の参入と長期的なエコシステム成長の基盤となると強調している。
開発者支援プログラムも少数精鋭に
アスター独自の開発者支援プログラム「dApp Staking」も刷新される。
これまで約70件あった対象プロジェクトを、コミュニティガバナンスによって選出された16のプロジェクトに集約。支援を集中させることで、エコシステムの質と持続可能性を高める狙いだ。
選出されたプロジェクトには、インフラ分野のSubscanやOnFinality、DeFi(分散型金融)分野のQuickSwapやSake Finance、モバイルウォレットのNova Walletなどが名を連ねている。
ステーキング参加者は、どのプロジェクトをサポートしても同一の報酬率(APR)を享受できる一方、プロジェクト側はコミュニティからの支持に応じた報酬を得る実力主義的なモデルとなっている。
オンチェーンの金融サービス普及へ
Astarは今後、一般ユーザーがオンチェーンの金融サービスをより身近に利用できるようにするためのプロダクトシリーズ「Astar Stack」の開発に注力するとしている。
第一弾となる「Astar Fi」は、複数のエコシステムのDeFiにアクセスできるセルフカストディ型の個人金融インターフェースを提供。続いて、オンチェーン活動の安全性を高めるリスク監視レイヤー「Astar Guard」の提供も予定している。
Astar Networkは、ソニーグループとの共同開発によるイーサリアムのレイヤー2(L2)「Soneium(ソニューム)」との連携も深めており、Astarをその中核資産として位置づけている。
日本とアジア市場における企業やエンターテインメント、ゲームプロジェクトの主要なゲートウェイとして、伝統的金融とデジタル経済を繋ぐ存在感を引き続き強化していくとしている。
|文:橋本祐樹
|トップ画像:Astar Networkのサイトより(キャプチャ)
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