● 今週のビットコインは、中東情勢の緊迫化を受けて一時急落したが、現物ETFへの資金流入や規制整備への期待を背景に買い戻しが強まり、大きく反発した。
● 来週のビットコインは、米国とイランを巡る中東情勢の緊張や米消費者物価指数(CPI)の結果が市場心理を左右しやすく、外部環境に振らされやすい不安定な値動きが予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=75,000ドル(約1,177万円)、下値はBTC=65,000ドル(約1,020万円)を意識する。
今週(2月27日~3月5日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):中東情勢で一時急落もETF資金流入と規制期待で大きく反発
ビットコインは、中東情勢の緊迫化を受けて一時急落したが、現物ETFへの資金流入や規制整備への期待を背景に買い戻しが強まり、大きく反発した。
週前半は地政学リスクの高まりが相場の重石となった。米国によるイランへの大規模軍事攻撃が報じられ、最高指導者ハメネイ師の死亡が伝わるなど、中東情勢を巡る緊張が急速に高まった。さらに、AIを巡る懸念からハイテク株を中心に株式市場が不安定となる中、暗号資産市場でもリスクオフの売りが広がり、一時BTC=63,000ドル(約989万円)付近まで下落した。
しかし、その後は安全資産として金が急騰する中でビットコインも底堅さを見せた。米国のビットコイン現物ETFには日次で数億ドル規模の資金流入が続き、需給面の改善が意識されると、BTC=70,000ドル(約1,099万円)付近まで買い戻される場面がみられた。
もっとも、イランによる報復攻撃を受けて地政学リスクが一段と高まり、原油価格の上昇を背景にインフレ懸念が強まると、株式市場や金が下落する中でビットコインも連れ安するなど、相場は不安定な推移となった。
その後、株式市場と金の下げが一服すると、トランプ米大統領がCLARITY法案への支持を改めて表明したことも材料視され、ビットコインは上昇を再開しBTC=73,000ドル(約1,146万円)付近まで値を伸ばした。
なお、国内ではサナエトークンを巡る動揺が広がったが、相場への影響は限定的だった。

来週(3月6日~12日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米CPIと中東情勢が波乱要因、CLARITY法案進展なら反発余地も
来週のビットコインは、米国とイランを巡る中東情勢の緊張や米消費者物価指数(CPI)の結果が市場心理を左右しやすく、外部環境に振らされやすい不安定な値動きが予想される。
まず注目されるのは地政学リスクである。トランプ米大統領はイランへの攻撃を必要なだけ続ける意向を示しており、両国および周辺地域で軍事衝突が激化した場合、株式市場を中心にリスク資産が売られやすい地合いとなるだろう。こうした局面では投資資金の現金化が進みやすく、ビットコインにも換金売りが波及する可能性がある。
加えて、2月の米消費者物価指数(CPI)にも注目したい。中東情勢の緊迫化を背景に原油価格の上昇が意識される中、インフレの持続を印象付ける内容となれば、利下げ観測の後退とともに金利上昇が意識され、リスク資産全般に売り圧力が強まる可能性がある。さらに、価格下落局面では暗号資産関連企業の信用不安が再燃するリスクにも注意が必要だ。
一方で、米暗号資産規制を巡るCLARITY法案の動向は引き続き重要な材料となる。3月1日までの成立には至らなかったものの、トランプ米大統領が早期成立を求める中で審議の進展が期待されている。特にステーブルコインの利回りを巡り対立している銀行側と暗号資産関連企業側の間で妥協案がまとまれば、規制の不透明感が後退し、現物ETFへの資金流入を通じて価格が持ち直す展開も想定される。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=75,000ドル(約1,177万円)、下値はBTC=65,000ドル(約1,020万円)を意識する。
