ETHZilla、航空機エンジンを裏付けとするトークンを発行

金融テクノロジー企業のETHZilla Corporationは、航空機エンジンを裏付けとするトークン化資産「Eurus Aero Token I」を発行したと発表した。これは、イーサリアムネットワーク上で取引可能な航空資産としては初の事例となる。

同トークンは、ETHZillaの完全子会社であるETHZilla Aerospace LLCを通じて組成されたもので、米国の大手航空会社にリース中の商用ジェットエンジンから生じる契約上の収益権をデジタルトークンとして表現する仕組みだ。

航空機エンジンのリース収益をトークン化

Eurus Aero Token Iは、ETHZillaが約1220万ドル(約19億円、1ドル=155円換算)で取得した2基のCFM56型商用ジェットエンジンを裏付け資産とする。これらのエンジンは現在、米国の主要航空会社にリースされており、月次で基本賃料および使用量に応じた支払いが発生している。

トークンはERC-20規格で発行され、イーサリアムのレイヤー2プロトコル上で運用される。オンチェーンでのトークン保有者確認や自動分配が可能となり、毎月のリース収益は現金または即時利用可能な資金としてトークン保有者に分配される予定だ。

販売価格は1トークンあたり100ドル、最低購入数量は10トークン。リース期間全体を通じて保有した場合、目標利回りは約11%とされている。

機関投資家向け市場へのアクセスを拡張

航空機エンジンのリース資産は、これまで主にプライベートエクイティや大規模な証券化取引を通じて機関投資家のみがアクセスできる分野だった。ETHZillaは今回、明確なリース条件と契約上の保護条項を組み込むことで、透明性の高いインカム型投資商品として提供するとしている。

トークンは規制対応済みのエコシステム「Liquidity.io」を通じて、適格投資家限定で提供される。Liquidity.ioはブローカーディーラー免許を有する規制金融機関であり、複数のデジタル証券の上場・取引を認可されている。

契約構造とリスク管理

各トークンは、エンジン本体、リース債権、準備金、保険金請求権などを含む担保パッケージによって裏付けられる。リース契約は2028年まで継続し、期間中のキャッシュフローは契約上確定している。

エンジンは現在レバレッジをかけておらず、利回り向上のための借入活用は想定していないという。また、リース終了時には、ジェットエンジンサービス会社との間で300万ドルのプット/コールオプションが設定されている。条件を満たした場合、エンジンは同社に売却される仕組みだ。

リース終了後に残存する資金は、税引き後にトークン保有者へ按分配分される見込みで、投資家は定期的な収益に加えて、満期時の資本回収の恩恵を受ける可能性がある。

航空業界への本格参入

今回の取引は、ETHZillaにとって現実資産を対象としたトークン化金融フレームワークの初の本格展開となる。2025年8月の設立以降、同社はプラットフォーム開発やパートナーシップ構築を進めてきた。

同社は今後、ZippyおよびKarusとの既存の提携を通じて、製造住宅ローンや自動車ローンなど他の資産クラスでもイーサリアムレイヤー2トークンを展開する計画だ。

トークン化資産の新たな可能性

ETHZillaは、航空機エンジンのような高品質かつ高利回りの現実資産をブロックチェーン上で分割・流通可能にすることで、これまで限られた投資家しかアクセスできなかった市場を開放する狙いを示している。

規制対応済みインフラとブロックチェーン技術を組み合わせることで、従来型金融の安定性とデジタル資産の効率性を融合させた新たな投資商品を創出する取り組みとして、今回の発行は航空業界におけるトークン化の先駆的事例となる可能性がある。

|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock

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