Bitmine主導で1月に100万ETHがステーキング──流動性低下のなか、Veera CEOはDeFi取引の簡素化を訴え【価格分析】

● 地政学的緊張の高まりを背景に、機関投資家が現物保有よりもステーキングへと一段と傾斜したことで、イーサリアム(ETH)価格は5%下落した。
● 1月にはETHのステーキングが100万ETH増加し、オンチェーン活動が低迷するなかで流動供給が引き締まっている。
● 一方、2800ドル近辺に大量のロングレバレッジが積み上がっており、サポートを割り込めば、ETHは下落が加速する脆弱な状況にある。

イーサリアム(ETH)価格は5%下落したが、売り圧力が強まるなかでも、利回りを求める機関投資家の需要は拡大しており、Bitmineは新たなステーキング流入を発表した。

ステーキング参加の増加と、オンチェーンおよび取引活動の鈍化との乖離は、イーサリアムの短期的な流動性見通しをめぐる議論を一段と強めている。こうした状況のなか、DeFiプロトコルのVeeraは今週、クロスチェーン製品を発表。同社CEOは機関投資家の採用が進むなかで、ユーザー体験を優先すべきと業界に呼びかけた。

DeFiプロトコルCEO、UI改善を訴え──イーサリアムステーキングには1月、28億ドル相当が追加流入

地政学リスクの高まりを受けてイーサリアム価格は急落し、暗号資産市場全体も下押しされた。一方で、ボラティリティが高まるなか、機関投資家は現物取引よりもステーキング戦略を引き続き選好している。

木曜日、イーサリアム最大のトレジャリー企業であるBitmineは、14万7072ETH(約4億4050万ドル相当)を新たにステーキングに追加したようだ。Bitmineのステーキング総額は251万6896ETH、74億5000万ドル相当に達する。

ステーキング志向の高まりは、イーサリアムのオンチェーンおよび市場活動の明確な減速と同時に進行している。取引量やユーザーエンゲージメントは低下する一方で、より多くのETHがビーコンチェーンにロックされ、取引可能な供給量は減少している。

こうした背景のもと、Veeraは木曜日、ブロックチェーン間での資産移動を簡素化することを目的とした新たなクロスチェーン製品の提供開始を発表した。

Veeraの共同創業者兼CEOであるSukhdeep Bhogal(スクディープ・ボーガル)氏は、DeFiインフラは成熟した一方で、使いやすさが依然として大きなボトルネックになっていると指摘。「DeFiは、技術的には機能する段階に到達したが、今は体験が破綻している。ユーザーは、金融とは関係のない複雑さに苦しんでいる」と語った。

Veeraのワンクリック型クロスチェーンスワップは、複数の資産管理ツールへの依存を減らし、送金時のエラー率を最小化するよう設計されている。

ボーガル氏は、クロスチェーン取引を従来の銀行取引と同じくらい直感的なものにすることが目標と付け加えた。この製品発表は、オンチェーン金融サービスへのアクセス拡大を目的とした、同社のプレシードおよびシードラウンドを合わせた1000万ドルの資金調達に続くものだ。

ステーキングによる流動性低下で、2700ドル近辺のロングポジションが一段と露出

1月を通じて、イーサリアムのステーキング活動は拡大を続けており、Bitmineのような機関投資家や長期保有者は、地政学リスクの悪化に備える利回り獲得手段としてステーキングを選択している。その結果、市場の流動性は目に見えて低下している。

ビーコンチェーンのデータによると、ETHの総ステーク量は月初の3560万ETHから、1月29日時点で3660万ETHへと増加した。

■イーサリアム(ETH2.0)のステーキング残高は2026年1月に100万ETH増加|Beaconcha.in

これは、4週間足らずの間に約100万ETH(約28億ドル相当)が市場から引き揚げられたことを意味する。一方で、ETH価格は5%下落した。

大口保有者がETHをステーキング契約にロックするこの長期的な動きは、スポット市場の流動性を徐々に細らせている。供給減少は安定局面では価格を支える可能性があるが、動揺局面では、ショックを吸収する流動性が減ることで、下落リスクを増幅させる恐れもある。

木曜日の急落局面では、デリバティブ市場の指標が、こうした脆弱性がイーサリアム市場に表れつつあることを示した。

Coinglassの清算マップによると、ETHのロングポジションは大きく整理され、ロングの総エクスポージャーは2億9300万ドルまで減少した。一方で、ベア勢は約19億ドル規模のショートレバレッジを依然として維持している。

■1月29日、2791ドル近辺に1億1200万ドルのETHロングポジションが集中|Coinglass〈ETH〉清算マップ

とりわけ、2700ドルを下回る水準では、ETHの強気筋は依然として大きなリスクにさらされている。2790ドル前後には1億1200万ドル超のロングポジションが集中しており、これは日中のロングレバレッジの40%超を占める。

2700ドルを明確に割り込めば、このレバレッジ集中リスクが顕在化し、さらなる強制清算の波を引き起こす可能性がある。