ビットコイン、40日ぶりの安値に──米国の異常気象でマイナー停止【価格分析】

● ビットコインは8万6166ドルまで下落し、40日ぶりの安値を付けた。安全資産への資金流入が金と銀を押し上げた。
● 米国の冬の嵐がマイニング活動を混乱させ、ハッシュレートと難易度が大きく低下した。
● マイナー収益への圧迫とネットワークの減速により、短期的には8万5000ドル水準への下押しリスクが高まっている。

ビットコイン価格は1月26日早朝の取引で8万6166ドルまで下落し、2025年12月19日以来の低水準となった。米国市場の寄り付き前に安全資産への資金流入が進み、金が史上最高値を更新するなかで売りが広がった。その後、ビットコインは日中にかけて8万8900ドル近辺まで反発したものの、米国の深刻な気象条件がマイニング活動に与えた影響や、マイナー収益性の低下が可視化されていることから、下落リスクは依然として高い状態にある。

米国のマクロ不安と気象条件がマイニング活動を混乱させ、ビットコインが下落

米国経済は、地政学的緊張と脆弱なマクロ環境を背景に、重い雰囲気のなかで週明けを迎えた。厳しい冬の気象条件がリスク回避の流れを一段と強め、月曜早朝の取引では「米国売り」の流れが意識された。米ドルは中国人民元に対して4カ月ぶりの安値に下落し、金は年初来で約18%上昇し、5000ドル近辺まで急伸した。銀も上昇基調を強め、100ドルを超えて推移し、上昇率は60%を超えている。

■ビットコインのマイニング難易度|Blockchain.com

ビットコインが8万7000ドルを割り込んだことで、年初来パフォーマンスはマイナスに転じた。同時に、オンチェーンデータからは、米国の極端な気象条件がビットコインのマイニングネットワークに影響を及ぼし始めていることが確認された。

Blockchain.comのリアルタイムデータによると、ビットコインのマイニング難易度は1月26日時点で141.7Tとなり、1月7日の148.3Tから低下した。過去20日間で約4.5%の減少となる。Blockspace Intelligenceは、現在の2016ブロック周期が終了するまでに、さらに16%の難易度調整が下方向に行われる可能性があると指摘している。

米国のマイナー停止がネットワークを減速させ、収益圧迫を深刻化

冬嵐「Fern」により、米国拠点のマイナーの相当部分が稼働停止に追い込まれた。米国は世界のビットコイン・ハッシュレートの約40%を占めているため、局地的な停止がネットワーク全体に波及した。世界最大のマイニングプールであるFoundry USAでは、ハッシュレートが約60%低下したと報告されており、ネットワークを支える計算能力が大幅に減少した。

■2025年10月以降、低下が続くビットコインマイナー収益

その結果、平均ブロック生成時間は12分を超える水準まで伸び、ネットワーク効率の低下が示された。マイナーの収益性も圧迫されるなか、この状況はビットコイン価格にとって弱気要因となっている。Newhedgeのデータによると、2026年1月のビットコインマイナー収益は9億6000万ドルを下回る水準にとどまっており、月間収益は10億ドルを割り込む見通しだ。月次収益は、約16億ドルでピークを付けた10月以降、一貫して減少している。

ビットコイン価格の見通し:8万8000ドル超の回復は一服し、8万5000ドルへの下落も視野

マイニング難易度の低下、ブロック生成の減速、そして継続的な収益圧迫が重なり、短期的にはマイナーによる売却が発生する可能性が高まっている。月曜日に8万8000ドルを上回った反発は一時的な安心感をもたらしたが、強固な構造的支えを欠いている。

マイナーのストレスが続き、マクロ環境におけるリスク回避の資金が引き続き金や銀に向かう場合、ビットコインの価格動向は下方向に収れんする可能性が高い。マイナーが短期的な流動性需要に対応するなかで、8万5000ドル水準を再び試す展開は現実味を帯びつつある。