“監査”問題で期待のWeb3プロジェクトが終了──TOKI、クロスチェーンブリッジを2026年1月末で停止

オンチェーン金融が拡大するなかで、今後、重要になるとされるクロスチェーン、相互運用性の領域において、期待のプロジェクトが「監査」の問題を背景に終了することとなった。

TOKIは、同プロジェクトが提供してきたクロスチェーンブリッジを2026年1月末をもって終了すると発表した。送金(Transfers)や入金(Deposits)、TOKI Rewards、TOKI Pointsといった主要機能は段階的に停止される。

一方で、ユーザーが必要な手続きを完了できるよう、流動性の引き出し、すでに配布済みのTOKI PointsおよびTOKI Rewardsの買い戻しについては、より長期間にわたって提供が継続される。

また、TOKIのクロスチェーンブリッジは終了するものの、Datachainは、TOKIと共有してきた当初のビジョンのもと、機関投資家向けのコアな相互運用性インフラの構築を引き続き進めるという。

監査問題が背景に

今回の決定の背景には、TOKIの中核開発企業であるDatachainと、その親会社Speeeに対する財務監査上の問題がある。

発表によると、Speeeグループの財務監査人は、ドバイ、ケイマン諸島、英領ヴァージン諸島にまたがるTOKIの企業構造について、TOKIとDatachainの間に「密接かつ独占的な関係」があるとして、連結子会社として扱われる可能性があるとの見解を示した。

加えて、日本ではTOKIのようなWeb3ビジネスについての明確な監査基準が確立されておらず、適切な監査意見を提供するには、相当量の追加的な監査作業と時間が必要になるとした。その結果、Speeeグループは、監査負担を受け入れることは現実的ではないとの判断に至ったという。

「すべての関係者にとって非常につらいものだ」

監査リスクを排除するには、TOKIプロジェクトをSpeeeグループから完全かつ即時に切り離すことが唯一の選択肢となった。しかし、その結果、TOKIトークンを通じたリターンを前提に提供されてきたDatachainのエンジニアリング支援なしで、TOKIの開発・運営を継続することは極めて困難になったという。

TOKIは、あらゆる代替案を慎重に検討した上で、プロジェクトを終了するという困難な結論に至ったとしている。

発表の末尾で、TOKIは「この決定は、TOKIのコアチームを含む、すべての関係者にとって非常につらいものだ」としたうえで、これまでの信頼とフィードバック、支援に対してコミュニティへの謝意を表明している。

|文:増田隆幸
|画像:TOKIのウェブサイト(キャプチャ)