● 予測市場Polymarketでは、ビットコインが1月末時点に8万5000ドルを割る確率が34%まで上昇、トレーダーはマクロ環境の不透明感を織り込んでいる。
● ビットコインのデリバティブ取引高は43%減少し、ロング/ショート比率は1を下回り、日中取引では弱気ポジションが優勢となっている。
● テクニカル指標は下方向へのバイアスを示しており、8万7500ドルと8万5000ドルが重要なサポート水準として意識されている。
ビットコイン価格は1月22日、9万ドルを下回る水準で推移した。FRBの金利見通しの変化が、地政学的緊張の高まりと相まって、投資家心理の重しとなった。Yahoo Financeは、FRBが重視するインフレ指標の発表が遅れたことで、FRBは1月28日のFOMC会合で政策金利を据え置くとの見方が強まったと報じた。
米国経済分析局(BEA)のデータによると、食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)インフレ率は前年同月比2.8%、前月比0.2%上昇となり、40年以上で最長となった米政府機関閉鎖の影響があったにもかかわらず、市場予想と一致した。
「データに混乱があるため、どちらの方向に進んでいると明確に言い切るのは難しい。インフレはほとんど動いておらず、消費者は依然として支出を続けている」と元カンザスシティ連銀総裁のエスター・ジョージ氏は、Yahoo Financeにこう語った。

CME Groupのリアルタイムデータによると、政策金利が据え置かれる確率は95%に達しており、金利は3.50%〜3.75%に維持されると見込まれている。一方、3.25%〜3.50%への利下げを予想するアナリストは5%にとどまる。
ビットコインのデリバティブ取引高、43%減少
ビットコインが8万9500ドルを下回る水準でのもみ合いを続けていることは、過去7日間で8%下落したことを反映しており、強気の勢いが後退していることを示している。予測市場では、月末にかけてさらなる下落を見込む動きが強まっている。
「1月にビットコインはいくらに達するか」という予測市場Polymarket(ポリマーケット)のイベントには、5200万ドルが賭けられている。1月末に8万5000ドルを下回る確率は、先週の15%から34%へと上昇し、すでに450万ドル超がこの結果に賭けられている。ダボス会議の期間中にマクロおよび地政学的リスクが強まるなか、この急激な再評価は市場の警戒感の高まりを浮き彫りにしている。

デリバティブデータも、この防御的な姿勢を裏付けている。Coinglassによると、ビットコイン先物の取引高は43.11%減少して592億2000万ドルとなり、建玉(オープン・インタレスト)も0.49%減の601億2000万ドルに低下した。これは、新たなレバレッジを積み増すのではなく、ポジションを縮小する動きが広がっていることを示している。
24時間のロング/ショート比率は0.9685まで低下し、1を割り込んだことで、日中取引ではショートポジションが優勢であることが確認された。これらの指標を総合すると、トレーダーは短期的な反発よりも、価格下落を想定した防御的なポジショニングを進めていることが示唆される。
ビットコイン価格見通し:ライジングウェッジの下放れで8万5000ドルの攻防に注目
テクニカル面では、ビットコインは9万2000ドル近辺の主要レジスタンスを回復できず、依然として脆弱な状態にある。日足チャートでは、BTCはライジングウェッジの中で推移しており、強気の勢いが弱まる局面では下方向への継続を示唆するパターンとして知られている。
ブレイクアウト確率(Expo)指標は、下方向の確率を約60%、上方向を27%と示しており、予測市場およびデリバティブ市場の弱気なポジショニングと整合的だ。

ボリンジャーバンド(20日SMA)では、BTCは9万2300ドル付近のミッドバンドを下回って推移しており、下限の8万7500ドルが当面のサポートとして機能している。ミッドバンドを下回る終値が続く限り、売り手が主導権を握っていることを示す。一方で、バンドの収縮はボラティリティ拡大が近いことを示唆している。
モメンタム指標も好転の兆しは乏しい。RSI(14)は43付近にとどまり、中立水準の50を回復できておらず、蓄積ではなく分配が続いている状況を示している。さらに、広範な収益性指標でも勝率の低下が確認されており、慎重姿勢を強める材料となっている。
売り圧力が加速すれば、8万7500ドルを明確に割り込むことで、心理的な節目である8万5000ドルが意識される展開となる。この水準は、すでにポリマーケットのトレーダーによって大きく織り込まれている。日足で8万5000ドルを下回って引けた場合、8万ドル〜8万2000ドルに位置する過去の需要ゾーンに向けた下落リスクが高まる可能性がある。
一方、強い出来高を伴って9万2500ドルを回復すれば、弱気見通しは後退し、9万7000ドル、さらには10万ドルが再び視野に入る。しかしそれまでは、レバレッジの縮小、予測市場での弱気オッズ、そして脆弱なモメンタムが重なり、2026年1月末に向けて下方向リスクが優勢な状況が続いている。