●ビットコインは1月7日、主要アルトコインをアウトパフォームした。米雇用統計を受けてイーサリアム、ソラナ、XRPでは合計約3億1000万ドルの清算が発生している。
●現物/先物取引高比率は0.29に上昇し、地政学リスクが高まるなかで、現物主導のビットコイン需要が強まっていることを示している。
●レバレッジ取引への需要が弱いにもかかわらず、予測市場Kalshi(カルシ)では、ビットコインが1月に9万5000ドルを突破する確率が72%となっている。
ビットコインは安定推移
ビットコイン価格が主要な節目水準を上回り、安定して推移していることは、暗号資産(仮想通貨)市場全体が大規模な清算圧力を受けているなかでも、ビットコインがディフェンシブな資産としての役割を強めていることを示している。
ビットコインは1月7日、市場全体で3億ドル超のレバレッジポジションが解消されるなかでも、9万1200ドルを上回る水準を維持した。アルトコインが損失の大半を被る一方、オンチェーンデータ、デリバティブ指標、予測市場の動向は、マクロ環境および地政学リスクの高まりを背景に、投資家が資金をビットコインへと移しつつあることを示している。
アルトコインからビットコインへの資金移動
ビットコイン価格は1月7日、9万1200ドルを堅持し、日中の下落率は0.60%にとどまった。マクロ要因によるボラティリティを持続的な現物需要が吸収した形だ。
ベネズエラ産原油の対米供給に関するニュースが伝えられるなか、民間の雇用統計を公表するADPの最新の米雇用データが市場に一定の安心感をもたらした。米国の民間雇用者数は先月、4万1000人増加。ADPのチーフエコノミスト、Nela Richardson(ネラ・リチャードソン)氏は、この結果を「やや前向きなシグナル」と表現した。

市場では、アルトコインからビットコインへの資金ローテーションが加速した。Coinglassのデータによると、過去24時間で9万6280人のトレーダーが清算され、総額は3億1017万ドルに達した。なかでも、イーサリアムは8100万ドルの先物清算を記録し、時価総額や建玉規模がはるかに大きいビットコインの7570万ドルを上回った。
市場全体が下落する局面で、ビットコインの清算ペースがイーサリアムを下回る場合、投資家がリスクの高いアルトコインを手放し、ビットコインを保有する傾向を示すことが多い。ソラナ(SOL)とXRPも大きな影響を受け、それぞれ1610万ドル、1170万ドルの清算が発生した。
ビットコインの「安全資産」需要
トランプ大統領第2期政権下で地政学リスクが再び意識されるなか、ビットコインのディフェンシブな魅力が注目を集めている。オンチェーン指標は、この動きが7日の清算の波を和らげる緩衝材として機能したことを示している。

ベネズエラをめぐる米国の動きを受けて地政学的緊張が高まって以降、ビットコイン現物への需要は着実に増加している。実需と投機的取引のバランスを測る重要な指標である現物/先物取引高比率は、年初の0.28から、7日時点で0.29へと上昇したとThe Blockは伝えた。上昇は、レバレッジ取引に対するリスク選好が後退するなかで、ビットコインの積極的な現物買いが進んでいることを示している。
ビットコインの「安全資産」神話を裏付ける動きとして、DeFi(分散型金融)の利回り商品にも資金が流入している。DeFiLlamaのデータによると、ビットコインDeFiプロトコル全体のTVL(預かり資産)は、2025年12月初旬の65億ドルから70億3000万ドルとなり、約5億ドル、8%の増加となっている。ビットコイン価格が一時的に安値を更新する局面でもTVLの増加が続いたことは、短期的な投機ではなく、長期的なポジショニングが進んでいることを示している。
機関投資家の動きも、このトレンドと一致している。a16z cryptoは7日、Babylonへの1500万ドル投資を発表した。Babylonは、資産の移転やラップドトークンを使わずに、ネイティブなビットコインを担保として活用できるインフラ「BTCVaults」を手がけている。Babylonによると、今回の資金調達には、戦略的アドバイスも含まれている。

BTCVaultsは、ビットコインをDeFiシステムへ預け入れる動きを加速させて短期売買に回る供給を減らすことで、急激な価格変動を抑える可能性がある。こうした背景のもと、予測市場のセンチメントも引き続き前向きだ。Kalshiのリアルタイムデータによると、トレーダーは、ビットコインが2026年1月に9万5000ドルを突破する確率を72%と見積もっている。ただし、賭け金総額は約7000ドルと薄く、明確な方向感を確認するには、さらなる参加が必要とみられる。