デジタル資産インフラ企業のFireblocksは、暗号資産(仮想通貨)の会計および財務報告プラットフォームであるTRES Financeの買収を発表した。
この交渉に詳しい関係者の話としてFortune(フォーチュン)が報じたところによると、買収額は1億3000万ドル(約204億1000万円、1ドル157円換算)だという。
暗号資産市場が成熟するにつれ、暗号資産に関する規制の整備が各国・地域で急速に進んでおり、企業にとって業務の俊敏性と財務報告が不可欠な要素となっていると、Fireblocksはプレスリリースで述べた。EU(欧州連合)のMiCA(暗号資産市場規制法)や米国のGENIUS Act(ジーニアス法)、その他の規制の下で、暗号資産ネイティブ企業や伝統的金融機関は、各地域の規制で定められた基準を満たす財務記録を必要としている。企業が上場を目指したり、従来の会計システムに暗号資産を統合したりする際には、正確な照合、監査対応の報告、税務コンプライアンスへの対応が規制によって義務付けられる。
こうした背景から、Fireblocksは、暗号資産の会計、照合、暗号資産向け財務管理の分野のリーダーであるTRES Financeの買収を決定したとしている。
暗号資産インフラと既存の財務システムの乖離
Fireblocksによると、暗号資産ネイティブ企業や伝統的金融機関が規制に準拠する上で直面する根本的な問題は共通している。それは、暗号資産インフラと既存の財務システムが乖離していることであり、このギャップを解消できるのがTRES Financeだと考えている。
両社は共に、オンチェーン金融の世界の基盤となるインフラを構築し、重要な業務オペレーションに財務管理を統合していくとFireblocksは述べた。
プレスリリースによると、Finoa、Alchemy、Dune、Wintermute、M2、Bank Frickなど230社を超える企業が、すでにTRESを活用して照合や税務コンプライアンスへの対応、財務管理を行っている。
なお、今回の買収は、Fireblocksが2025年10月、Kraken、Magic Edenなどの企業が使用する開発者向けウォレットインフラDynamicを買収したことに続くものだ。
|文・編集:廣瀬優香
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