●ETH:金融インフラとしての利用拡大と機関投資家の関与が強さを支えている。
●XRP:規制明確化後の機関資金定着とブリッジ用途の実需が評価を押し上げている。
●SOL:個人参加の回復が先行し、相場初動のモメンタムが示唆される。
●BNB:実需と大口主導の安定構造がインフラ型特性を示している。
2026年の暗号資産市場を見据えるうえで重要なのは、短期的な価格変動ではなく、その銘柄がどのような理由で評価され、実際にどのように使われているのかを確認することだ。市場参加者の認識と、ブロックチェーン上に記録される行動が一致しているかどうかは、次のフェーズを読むうえで大きな手がかりになる。
まずEthereum(ETH)。イーサリアムを巡る関心は、価格動向を超えて、技術基盤としての完成度やDeFiにおける中核的役割、さらには機関投資家の関与拡大へと広がっている。金融サービス分野では決済やステーブルコインの基盤として利用が進み、実用面での存在感は着実に高まっている。Morgan Stanleyが現物型イーサリアムETFを申請したことは、規制環境の前進と金融商品としての採用拡大を象徴する動きだ。
実際、アクティブアドレス数は長期的に高水準を維持しており、価格の上下にかかわらずネットワーク利用が継続していることが確認できる。ETHが投機対象というより、使われ続ける金融インフラとして定着しつつある様子が、データからも読み取れる。
次にXRP。XRPは機関投資家の関心拡大とETFを通じた資金流入を背景に、2025年から2026年にかけて有力なアルトコインとして評価を高めている。日本を含む市場での採用拡大に加え、ステーブルコインやRWAのブリッジ資産としての実用性も注目点だ。SECとの訴訟が決着し、規制面の不透明感が解消されたことも評価を押し上げている。
取引所への大口送金データを見ると、価格が上昇している局面でも、クジラによる継続的な売却は限定的だ。これは短期的な利確よりも、機関や大口による保有継続が選好されていることを示しており、現在の上昇が比較的安定した需要に支えられている可能性を示唆している。
Solana(SOL)は、より動きの速い性格を持つ。市場回復とともにモメンタムを取り戻し、ネットワークアップグレードを背景にエコシステム拡大への期待が高まっている。ETF関連の話題も含め、個人投資家と機関投資家の双方から再び注目される局面に入った。
現物市場の取引頻度を見ると、価格上昇に先行する形でリテール参加が増加しており、個人投資家の回帰が確認できる。一方で、過去の天井局面で見られたような極端な過熱状態は限定的で、相場の初動から中盤に位置している可能性がある。SOLは、参加者の増加が先に表れ、その後に価格が追随しやすい銘柄であることが改めて浮き彫りになっている。
最後にBNB。BNBは市場全体が回復する中でも、比較的安定した値動きを見せている。Binanceエコシステムの中核トークンとして、取引手数料の割引、ステーキング、Launchpadなど実需に裏付けられた需要が継続しており、BNB Chain上ではDeFi、NFT、RWA、ステーブルコイン関連の利用も拡大している。
平均注文サイズを見ると、大口や準機関による取引が安定して観測され、リテール主導の過熱相場にはなっていない。これは短期的な回転売買よりも、実用性を前提とした保有が中心であることを示しており、BNBがインフラ型トークンとして評価されている理由と整合的だ。
総合すると、2026年に向けて注目すべきアルトコインは、単に価格が上昇した銘柄ではない。ネットワーク利用が継続するETH、規制明確化後に機関資金が定着しつつあるXRP、個人参加の回復が先行するSOL、そして実需に支えられた安定性を持つBNB。
市場の見方とオンチェーン上の行動が同じ方向を指している銘柄こそが、次の局面でも中心的な役割を果たす可能性が高いと言えるだろう。
オンチェーン指標の見方
Active Addresses(ETH):一定期間内に実際に取引を行ったアドレス数。価格に関係なくこの数が高水準で推移していれば、ネットワークが継続的に「使われている」ことを意味し、投機ではなく実需主導かどうかを判断できる。

Whale to Exchange Transactions(XRP):大口(クジラ)が取引所へ送金した回数・量を示す指標。増加すれば売却準備の可能性が高く、価格上昇局面でこれが落ち着いていれば、大口が利確せず保有を続けていると解釈できる。

Spot Retail Activity Through Trading Frequency Surge(SOL):現物市場での取引頻度の変化から、個人投資家の参加度合いを測る指標。価格上昇前にこの数値が増えれば、新規参加や関心の回復が先行しているサインとなる。

Spot Average Order Size(BNB):現物取引1回あたりの平均注文サイズ。数値が大きく安定していれば、大口・実需主体の取引が中心で、急低下すれば個人投機が増えている可能性を示す。
