●直近5年間では、ビットコインは年末に調整し、1月に資金が戻ることで相対的に良好なパフォーマンスを示してきた。
●12月のポジション調整や税務要因の売りが一巡し、1月には期初の買いとショートカバーが入りやすい。
●オンチェーンでは1月にアクティブアドレスが増加しやすく、実需ベースの参加者回復が確認される。
ビットコインの価格推移を月次ベースで振り返ると、直近5年間(2021年〜2025年)において、1月のパフォーマンスが相対的に良好である傾向が見えてくる。本稿では、月次データをもとにその実態を確認しつつ、年末年始に特有の資金フローや市場心理、さらにオンチェーンデータから見える需給構造を整理する。
まず、各年1月の騰落率を確認すると、2021年は約+14%、2023年は約+40%、2025年は約+9.6%と大きな上昇を記録した。2024年も+0.7%と小幅ながらプラスで終えている。一方、2022年のみは約-17%と例外的な下落となったが、これは弱気相場初期という特殊な局面に起因する要素が大きい。結果として、過去5年のうち4年で1月はプラスとなり、平均すると約+10%前後の上昇となっている。
他の月と比較すると、この特徴はより際立つ。例えば5月や6月は急落が起きやすく、2021年5月や2022年6月には30%を超える下落が発生した。12月も調整が入りやすく、直近5年のうち4年でマイナスとなっている。短期的な統計ではあるものの、近年に限れば「年末は弱く、年初は強い」という季節性が確認できる。
この背景には、年末年始特有の資金フローが存在する。12月は機関投資家によるポジション調整や、個人投資家の税金対策売りが重なりやすく、リスクオフの動きが強まりやすい。加えて、休暇による市場流動性の低下が価格の下押し圧力を強める。一方、1月に入ると年末に手仕舞われた資金が再び市場に戻り、新年度の運用方針に基づく「期初の買い」が入りやすくなる。さらに、年末に積み上がったショートポジションの巻き戻しも、価格上昇を後押しする要因となる。
オンチェーン指標の中でも、アクティブアドレスは1月相場の特徴を端的に示すデータである。提示されたグラフを見ると、年末の調整局面では価格が伸び悩む一方で、アクティブアドレスは大きく落ち込まず、むしろ年初にかけて増加に転じるケースが目立つ。特に2023年1月の反発局面では、価格上昇と同時にアクティブアドレスが明確に増加しており、投機的なショートカバーだけでなく、実際の取引参加者が市場に戻り始めたことを示している。1月は年末のリスクオフが一巡し、新規資金や取引再開によってネットワーク活動が活性化しやすい時期であり、アクティブアドレスの増加は「需要が戻る初動」を捉えるシグナルとして機能しやすい。
総合すると、直近5年間のデータでは、年末の調整を経て1月に資金が再流入しやすい構造が確認できる。ただし、2022年のように市況次第では1月が弱含むケースもあり、アノマリーとして過信すべきではない。それでも、「弱い12月・戻りやすい1月」という近年の傾向を、資金フローとオンチェーンの両面から確認することは、年初相場を読み解く上で有効な視点となるだろう。
オンチェーン指標の見方
アクティブアドレスは、一定期間内に送金や受取を行ったユニークアドレス数で、ネットワークの実需と参加者数を示す指標である。価格が横ばいでもアクティブアドレスが増えていれば、実需ベースで市場参加が戻り始めているサインと解釈でき、特に1月相場では需要回復の初動を捉える手がかりとなる。
