リアルタイム住宅データとオンチェーン不動産プラットフォームを提供するParclと、世界最大級の予測市場プラットフォームであるPolymarket(ポリマーケット)は、住宅価格に特化した新たな予測市場を立ち上げるための戦略的パートナーシップを発表した。
今回の連携により、Parclが提供する日次住宅価格指数がポリマーケット上の市場に統合され、主要都市の住宅価格動向をより明確かつ客観的に予測できる環境が整う。
住宅は世界最大の資産クラスでありながら、その価格動向をシンプルに表現したり取引したりすることは、これまで容易ではなかった。不動産投資には個別物件の選定、レバレッジ、長期保有といった複雑な要素が伴い、短期的かつ定量的に「価格が上がるか下がるか」という見通しを示す手段は限られていた。今回の提携は、そうした課題に対する新しいアプローチを提示するものだ。
ポリマーケットは、現実世界の出来事に対する結果を予測し、その確率を市場価格として可視化するプラットフォームとして知られている。一方のParclは、都市別の住宅価格を日次で算出する独自指数を提供し、不動産市場をより流動的でアクセスしやすいものにすることを目指してきた。両社の強みを組み合わせることで、住宅市場を対象とした予測市場が本格的に立ち上がる。
ParclのCEOであるTrevor Bacon(トレバー・ベーコン)氏は、今回の提携について次のように語っている。
「予測市場は大きく勢いを増しており、人々が意見を表明し、真実が見いだされる方法そのものを変えつつある。Parclは不動産価格における『真実の源』であり、不動産は予測市場エコシステムの中核的なカテゴリーになるべきだと考えている。ポリマーケットはこの分野のパイオニアであり、彼らと提携できることを非常に楽しみにしている」。
ポリマーケットのCMOであるMatthew Modabber(マシュー・モダバー)氏も、データの重要性を強調し、次のように語った。
「予測市場が最も機能するのは、データが明確で、結果が議論の余地なく検証できるときである。Parclの日次住宅価格指数は、透明性と一貫性をもって決済される住宅市場を立ち上げるための強固な基盤を提供してくれる。不動産は予測市場における一級のカテゴリーであるべきであり、この提携はその実現に向けた重要な一歩となる」。
新たに導入される市場は、まず米国の主要住宅市場を対象とする予定だ。市場の設計は、特定期間における指数の変動に基づくものとなり、例えば「ある都市の住宅価格指数が1カ月、四半期、または1年で上昇するか下落するか」といった問いが設定される。また、あらかじめ定められた水準を上回るか下回るかを判定する、いわゆる閾値型の市場も想定されている。
透明性の確保も、今回の取り組みの重要なポイントだ。各市場は、Parclが用意する専用の決済ページを参照し、最終的な決済値、過去の指数推移、指数算出の方法論が公開される。これにより、参加者は単一かつ一貫した情報源を通じて結果を検証でき、予測市場にありがちな不透明さや恣意性を排除する狙いがある。
今後は、流動性の高い主要都市から段階的に市場を拡大し、ユーザーの需要に応じて対象都市や市場タイプを追加していく計画だ。両社はまた、市場作成を容易にするため、期間設定や決済参照先を標準化したテンプレートやツールの共同開発にも取り組むという。
Parclは、リアルタイムの住宅市場指数と分析に加え、住宅価格の上昇や下落に連動したオンチェーン商品を提供している。同社のデータレイヤーであるParcl Labsは、第三者向けのデータ提供、調査、決済参照サービスを支える基盤として設計されている。
一方のポリマーケットは、オープンな取引と透明な決済を通じて、現実世界の出来事に対する確率をリアルタイムで表現することを目指している。
|文・編集:Shoko Galaviz
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