ビットコインの価格が下がると、不安になります。

昨日より下がった。

先月より下がった。

SNSでは「もう終わりだ」という声も見かける。

ニュースでも「急落」「弱気相場」という言葉が並ぶ。

初めてビットコインを持った人ほど、赤いチャートを見ると落ち着かなくなると思います。

実際、2026年6月30日時点のビットコイン価格は約6万ドル前後です。CoinGeckoでは、過去最高値は2025年10月6日の126,080ドルとされており、そこから見ると半分近く下がっている水準です。(CoinGecko)

では、ビットコインはもうダメなのでしょうか。

もちろん、未来の価格は誰にもわかりません。

「必ず上がる」と言うことはできません。

ただ、短い期間の値動きだけで判断すると、ビットコインの全体像は見えにくくなります。

大切なのは、価格が下がったときに、どの数字を見るかです。

まずは、長いチャートで見る

ビットコインは、短期では大きく動きます。

1日で数%動くこともあります。

数か月で大きく下がることもあります。

過去にも何度も「ビットコインは終わった」と言われてきました。

でも、10年以上の長い時間軸で見ると、大きな上げ下げをくり返しながら、価格の水準を切り上げてきたことがわかります。

Line chart of price trend from 2016 to 2026 with volume bars; shows a rise in 2021-2025 and a peak around 2025, with a dashed red resistance around 59.5k.
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(※参照サイト:https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/)

ここで大事なのが、対数スケールのチャートです。

対数スケールとは、ざっくり言えば「何ドル上がったか」ではなく、「何倍になったか」を見やすくする目盛りです。

ビットコインは、昔は1ドルにも満たない時期がありました。

その後、100ドル、1,000ドル、1万ドル、10万ドルという水準まで動いてきました。

このように価格のケタが大きく変わるものを見るときは、普通のチャートだけでは昔の動きがほとんど見えなくなります。

だから、長期で見るときは対数スケールの方が、全体の流れをつかみやすいのです。

ただし、長期チャートは未来を当てる魔法の道具ではありません。

「過去に上がってきたから、これからも必ず上がる」という話ではありません。

長期チャートは、短期の不安に飲み込まれそうなときに、少し視野を広げるための道具です。

1つ目の数字:200週移動平均

次に見るとわかりやすいのが、200週移動平均です。

少し難しく聞こえますが、考え方はシンプルです。

200週、つまり約4年分の価格を平均して、一本の線にしたものです。

毎日の価格は大きく変動します。

でも、約4年分をならすと、短期の上げ下げに振り回されにくくなります。

Newhedgeでは、200週移動平均はビットコイン価格と長期平均を比べるための指標として表示されており、2026年6月30日時点では約62,440ドルとなっています。(Newhedge)

現在のビットコイン価格は約6万ドル前後です。

つまり、かなり長期平均に近い水準まで下がっている、ということです。

これは「必ず底値」という意味ではありません。

でも、今の価格が長期の流れの中でどのあたりにいるのかを知る助けになります。

毎日の値動きだけを見ると、不安になりすぎます。

200週移動平均を見ると、少し長い目で現在地を確認できます。

2つ目の数字:Fear & Greed Index

次に見たいのは、市場の気持ちです。

ビットコインの価格は、人の感情に大きく動かされます。

上がっているときは、もっと上がる気がする。

下がっているときは、もう戻らない気がする。

この市場心理を数字で表したものが、Fear & Greed Indexです。

Alternative.meのCrypto Fear & Greed Indexは、0を「Extreme Fear」、100を「Extreme Greed」として、市場がどれくらい怖がっているのか、あるいは欲張っているのかを示します。2026年6月30日時点では、数値は15で「Extreme Fear」と表示されています。(Alternative.me)

つまり、今の市場はかなり怖がっている状態です。

もちろん、この数字が低いから必ず買い場、というわけではありません。

ただ、自分の不安を客観的に見る材料にはなります。

価格が下がっているとき、僕たちはつい「自分だけが不安なのでは」と感じます。

でも、この指数を見ると、

「市場全体が怖がっているのだ」

とわかります。

投資で怖いのは、価格の下落そのものだけではありません。

怖さに飲み込まれて、冷静に考えられなくなることです。

3つ目の数字:MVRV Z-Score

次は少しだけ、ビットコインらしい指標を見てみます。

それが、MVRV Z-Scoreです。

名前は難しいですが、ざっくり言えば、ビットコインが市場で高く評価されすぎているのか、それとも低く見られすぎているのかを見るための指標です。

Bitcoin Magazine Proは、MVRV Z-Scoreについて、ビットコインが「本来の価値」と比べて極端に高いのか、低いのかを見つけるためのブロックチェーン分析指標だと説明しています。(Bitcoin Magazine Pro)

ここで出てくる考え方が、「市場価値」と「実現価値」です。

市場価値は、今の価格をもとにした価値です。

実現価値は、それぞれのビットコインが最後に動いたときの価格をもとに考える価値です。

初心者は、細かい計算式まで覚える必要はありません。

大事なのは、ビットコインには価格チャートだけでなく、ブロックチェーン上のデータを使って市場を見る方法がある、ということです。

価格だけを見ると、上がった下がったで終わってしまいます。

でも、MVRV Z-Scoreのような指標を見ると、

「今の価格は熱狂で高くなりすぎていないか」

「逆に、怖がられすぎて低く見られていないか」

という見方ができます。

4つ目の数字:ハッシュレート

最後に見たいのが、ハッシュレートです。

ハッシュレートとは、ビットコインのネットワークを支える計算力のようなものです。

ビットコインでは、世界中のマイナーが計算を行い、取引の記録を支えています。

この計算力がどれくらいあるのかを見るのがハッシュレートです。

価格が下がると、どうしても「ビットコインは終わったのでは」と感じます。

でも、価格とネットワークは同じではありません。

価格は市場で毎日変わります。

一方で、ビットコインのネットワークは、ブロックを作り、取引を記録し続けています。

BitInfoChartsでは、直近のビットコイン平均ハッシュレートは約853.9EH/sと表示されています。価格が下がっている局面でも、ネットワークそのものが止まっているわけではありません。(BitInfoCharts)

もちろん、ハッシュレートが高ければ価格が必ず上がる、という話ではありません。

でも、価格だけを見て「全部ダメだ」と考えるのではなく、ネットワークが動き続けているかを見ることは大切です。

ビットコインは、ただの価格チャートではありません。

世界中で動いているネットワークでもあります。

短期の価格だけで、答えを出さない

ビットコインが下がっているけど、本当に大丈夫なのか。

この問いに、簡単な答えはありません。

明日上がるかは、誰にもわかりません。

来月さらに下がる可能性もあります。

短期で見れば、ビットコインはとても値動きの大きい資産です。

だから、「大丈夫です」と言い切るのは違うと思います。

でも、短期の赤いチャートだけを見て、すぐに「もう終わりだ」と決めつけるのも早すぎます。

見るべきものは、価格だけではありません。

  • 長期チャート
  • 200週移動平均
  • Fear & Greed Index
  • MVRV Z-Score
  • ハッシュレート

こうした数字を並べて見ると、ビットコインの見え方は少し変わります。

短期では大きく下がる。

市場はかなり怖がっている。

価格は長期平均に近いところまで下がっている。

それでも、ネットワークは動き続けている。

下がっているときほど、不安になります。

でも、不安なときほど、短いチャートだけで判断しないこと。

ビットコインを見る目は、価格を見る目だけではありません。

長い時間軸で、仕組みと数字を一緒に見る。 そこから、少しずつ見え方が変わっていきます。

|文:yutaro
|画像:AIにより生成した、コンセプトを伝えるためのイメージビジュアルです

<本連載の著者>

yutaro

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