前回の記事では、「価値とは何か?」をいっしょに考えました。
価値は、
- あなたがどう感じるか(主観)
- 社会がどう合意しているか(共有された価値)
この2つで成り立っている、というお話でしたね。
あの記事でのまとめとして、お金は
- “価値の合意”を社会で使える形にしたツール(道具)
- そのツール(お金)には”3つの役割”がある(本日のテーマ)
という重要な点について見てきました。
▶参考記事:「価値」って何?がわかると、お金の見え方が変わります
今日はその続きです。
お金とは、私たちの暮らしの中でいったい何をしてくれているのでしょうか?
意外と知らないお金の3つの役割について、さらに理解を深めていきましょう。
毎日使っているのに、意外と考えたことがないこと
- スーパーでの買い物
- 家賃の支払い
- 子どもの習い事
- ネットショッピング …
私たちは毎日のようにお金を使っています。
でも、「お金がどんな役割を果たしているのか?」をじっくり考えることは、あまりないかもしれません。
お金は、ただの“支払いのためのツール”なのでしょうか?
実は、お金には大きく分けて3つの役割があります。
① 交換手段 ― お金は“仲介役”
まずひとつ目は、交換手段という役割です。
もしお金がなかったらどうなるでしょう?
あなたが働いて得た価値を、そのままパンやお米と直接交換しなければなりません。
これを物々交換(バーター)と言います。
でも現実は、
- 仕事をしてお金を受け取る
- そのお金で好きなものを買う
という流れですよね。
お金があるから、あなたの「得意(労働)」と誰かの「得意(商品やサービス)」が、スムーズにつながります。
お金は、人と人をつなぐ仲介役とも言えるかもしれません。
② 価値尺度 ― お金は“ものさし”
ふたつ目は、価値尺度という役割です。
- パン150円
- 家賃8万円
- 美容院5,000円
すべて同じ「日本円」という単位で比べられます。
もしこれが、
- 魚2匹分
- お米5袋分
- 布3枚分
だったらどうでしょう。
比べるだけでも大変ですよね。
お金は、価値を数字で表す“ものさし”です。
この役割があるから、
- 予算を立てられる
- 家計簿をつけられる
- 高い/安いを判断できる
つまり、お金は家計を管理するためのツールでもあるのです。
③ 価値貯蔵 ― お金は“未来への橋”
3つ目は、価値貯蔵の役割です。
今日の1万円を、来月も1万円として取っておける。
これが当たり前のようで、実はとても大事なこと。
もし魚や野菜で貯金しようとしたら、腐ってしまいます。
でもお金なら、
- 教育費
- 急な出費
- 将来の安心
のために、価値を未来へ持ち越せます。
お金は、未来につながる橋のような存在であるべきなのです。
ここまでくると、見えてくること
お金が“ただの紙”ではない理由は、
- 交換を可能にする
- 比較を可能にする
- 未来を可能にする
この3つの役割を持っているから。
そして、その役割にみんなが価値を感じ、合意しているからこそ、私たちは安心して使えるのです。
でも、その価値はいつも同じでしょうか?
ここで、少しだけ立ち止まってみましょう。
たとえば最近、
- パンが値上がりした
- ランチ代が高くなった
- 日用品がじわじわ上がっている
そんな実感はありませんか?
これは、物の値段が上がっているだけでなく、「価値貯蔵」としてのお金の役割が少し弱くなっている状態でもあります。
今日の1万円と、数年前の1万円。
買える量は同じでしょうか?
これがいわゆる「インフレ」の話です。
このテーマは長くなるので、詳しくは過去記事「最近よく目にする『値上げ』について、やさしく整理してみる。」で丁寧に解説しています。
ここではひとつだけ。
お金の3つの役割は、いつも完璧に同じとは限らない。
ということを覚えておいてください。
だからこそ、世界では「価値をより良く保存できるお金はなにか?」という問いが、何度も繰り返されてきました。

金(ゴールド)もそのひとつ。
また、最近ではビットコインのように、よりしっかりと価値を保存できるよう設計されたお金も登場しています。
ここで詳しく触れることはしませんが、こうした動きもすべて、
「価値をどう守るか?」
という、お金の3つ目の役割(この場合は、価値貯蔵)をめぐる問いから生まれています。
毎日使っているものほど、ちゃんと知っておく
お金は、
- 交換の仲介役(交換手段)
- 価値のものさし(価値尺度)
- 未来への橋(価値貯蔵)
この3つの役割で、私たちの暮らしを支えています。
でも、その役割がどう機能しているかを知らないままだと、数字だけを見て判断してしまいがちです。
毎日使っているものほど、ちゃんと知っておく。
それだけで、
- お金の使い方
- 貯め方
- 家計の考え方
- 将来への備え方
が、少しずつ変わってきます。
お金を“ただの数字”としてではなく、“役割を持ったツール”として見る。
本日はお金の3つの役割を通して、そんなお話をさせていただきました。
|文:yutaro
|画像:AIにより生成した、コンセプトを伝えるためのイメージビジュアルです
<本連載の著者>
yutaro
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