僕たちは毎日のように「価値」という言葉を使っています。
「この映画、値段のわりに見る”価値”があったね」
「”価値”あるを今を大切にしたい」
でも、ふと立ち止まって考えると、そもそも“価値”って何なんだろう?
そう思ったことはありませんか。
今日は、この少し不思議な「価値」という言葉を、暮らしの目線からいっしょにひもといてみます。
むずかしく見えて、実はとても身近な話です。
「価値」とは、まず“あなたの主観”です
たとえば、
- 子どもからもらった手紙
- 思い出の指輪
- 友達と撮った写真
これらはどれも、お金では買えないほど大切な「価値」がありますよね。
でも、他の人にとっては「ただの物」かもしれません。
つまり、価値はまず、“その人の感じ方(主観)”から生まれるもの。
これが価値のいちばん最初の姿です。
でも、「主観」だけでは社会は回らない
昔ばなしを少ししてみましょう。
お金がまだ存在しなかった縄文時代のころ、人々は 物々交換(バーター) で暮らしていました。
お米と魚。
布と塩。
労働と食べ物など…。
でも、すぐに限界が来ます。
限界① 欲しいものが一致しない
あなたは魚が欲しい。
でも漁師さんはお米じゃなく木材が欲しい。
これでは交換が成立しません。
限界② 価値が毎回ちがう
「魚1匹=お米どれくらい?」
取引のたびに交渉が発生します。
限界③ 腐るものは保存できない
魚や野菜は保存も持ち運びもむずかしい。
つまり、
主観だけの「価値」では、交換も保存もできない。
これが物々交換の限界でした。
「価値を共有するための仕組み=お金」の誕生
交換をスムーズにするには、「これには価値があるよね」という“共通の合意” が必要です。
その合意を社会で使える形にしたもの。
それが お金 です。
日本では、奈良時代に作られた「和同開珎」が本格的な貨幣(お金)の始まりと言われています。
物々交換から始まり、長い時間をかけて“共通のお金”が誕生したのです。
お金は「価値の合意」を社会で機能させるツール
ここがとても大事なポイントです。
お金は、
“みんなが価値を認めていること(価値の合意)”を、社会で使えるようにしたツール
です。
とは言っても、ただ価値を認めるだけでは足りません。
それを交換し、比べ、未来まで保存できなければ、“社会のツール(道具)”とは呼べないのです。
そこで必要になるのが…
お金の「3つの役割」
① 交換手段
お米と魚を直接交換しなくていい。
「何かを買うときの仲介役」 になります。
これがあるから、スーパーにお米を持っていかなくていいのです。
② 価値尺度
パン150円、家賃8万円。
価値を数字で表し、比べられるようにする仕組み。
これがあるから、「これは高い」「これは安い」が判断できます。
③ 価値貯蔵手段
お米や魚は腐るけれど、お金は保存できる。
未来のために価値を取っておける。
昔は価値を物々交換していたものが、時代とともに「保存しやすいもの(= お金)」へと進化してきた理由もここにあります。
(※参考記事:毎日使っているのに知らなかった?暮らしを支えるお金の“3つの役割”。)
ここまでくると、「お金が価値を持つ理由」が見えてきます
つまり、お金が“ただの紙”以上の力を持つのは、
- 交換に使える
- 数字で比べられる
- 未来に保存できる
という 3つの役割 を果たしているからです。
それはつまり、
その3つの役割に、みんなが価値を感じている(= 合意している)と言うこと。
だから1万円は今日も1万円として使えるし、僕たちは安心して暮らせるのです。
でも、1万円の価値は本当にいつも「1万円」?
ここでひとつ視点を変えてみてください。
1万円という“数字”は変わらないのに、その1万円で買える量は同じでしょうか?
「数字」と「価値」は別のもの
例えば、
- 100円だったパンが120円に
- 1,000円のランチが1,350円に
- 日用品・ガソリンが静かに値上がり
こんな経験、ありますよね。
これは 1万円の価値(買える量)がゆっくり弱くなっている ということを意味します。
(※このテーマは長くなるので、詳しくは過去記事「最近よく目にする「値上げ」について、やさしく整理してみる。」にまとめています)
「価値」と「お金」をセットで考えると、すべてが腑に落ちます
ここまで見てきたように、価値とは
- あなたがどう感じるか(主観)
- 社会がどう合意しているか(共有された価値)
この2つで成り立ちます。
お金は、その“共有された価値”を交換しやすく、比べやすく、保存しやすい形にしたツールです。
だから大切なのは、1万円という“数字”そのものではなく、その1万円が「どれだけの価値と交換できるのか」という別の視点です。
この見方が身につくだけで、
- お金の使い方
- 貯め方
- 何に価値を置くか
- どんな暮らしを選ぶか
こうした判断が、ぐっとやさしく、しなやかになっていくのでしょう。
価値を理解すると、本当に「お金の見え方」が変わるんです。
|文:yutaro
|画像:AIにより生成した、コンセプトを伝えるためのイメージビジュアルです
<本連載の著者>
yutaro
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