今年の正月、5年ぶりに日本へ一時帰国したときの話です。

空港からの帰りに立ち寄ったコンビニで、ふとした違和感がありました。

おにぎりの値段が、思っていたより高いのです。

「あれ、こんなに高かったっけ?」と、思わず二度見してしまいました。

それはおにぎりだけではなくて、パンや飲み物、カップ麺の値札を見ても、以前よりじわっと値段が上がっているように感じます。

日本にずっと住んでいるみなさんも、やっぱり同じように感じているのではないでしょうか?

ここ数年、日本では確かに“静かな値上げ”が続いています。

生活の中で気づきにくい「ゆっくり進む値上げ」

総務省の統計(消費者物価指数:CPI)によると、日本の物価は 2020年〜2025年の5年間で約13% 上昇しています。

とくに食品は値上がりが目立ち、ここ1〜2年だけでも 約6%前後 の上昇が続いています。

(参考:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」:https://www.stat.go.jp/data/cpi/)

そのため、

  • コンビニの商品が少し高く感じる
  • 外食の値段が前より上がった
  • スーパーの買い物の合計が増えた

こうした「前より高くなった気がするよね……」という感覚を、多くの人が共有しているのです。

なぜ急にモノの値段が上がったの?

ここで登場する言葉が インフレ(インフレーション) です。

急に経済用語を出してしまいましたが、インフレとはかんたんに言うと、「同じお金で買える量が少しずつ減っていく」状態を指します。

たとえば、

  • 昔:100円で買えたパン
  • 今:120円必要

これは一見、物の値段が上がったように見えますが、実際には 100円の“力”が弱くなっている と考えることもできます。

数字上のお金は減らないのに、その「お金で買える量(=お金の力)がゆっくりと小さくなっていく」…。

これがインフレの本質です。

なぜインフレが起こっているの?

その背景には、いくつかの要因があります。

1. 世界的に原材料の価格が上がっている

原油、小麦、野菜、包装資材など、あらゆる“元になる材料”が世界規模で値上がりしています。

2. 日本は輸入に依存している

日本は食料品からエネルギーまで、多くを海外から輸入しています。

世界で価格が上がれば、その影響がそのまま国内の物価に反映されやすくなります。

3. 円安で“円の力”が弱くなっている

円の価値が下がると、海外の商品を買うために、より多くの円が必要になります。

その変化がそのまま「値上げ」として現れてきます。

こうした複数の要因が積み重なり、気づかないうちに生活のあらゆる場面で“値上げ”が顔を出しているのです。

インフレが進みすぎるとどうなるの?

インフレが加速し、短期間で物価が2倍、3倍と跳ね上がることがあります。

これをインフレが行きすぎた極端な状態 = 「ハイパーインフレ」と呼びます。

国際会計基準(IFRS)では、3年間で累計100%以上の物価上昇がある場合、ハイパーインフレとして扱われる可能性が高いとされています。

過去に起きた事例

  • ドイツ(戦後)
    賠償金の負担や経済混乱で、お金の価値が急速に下がりました。
  • ロシア(1990年代)
    経済体制の急な転換によって、物価が大きく跳ね上がりました。
  • アルゼンチン
    通貨不安が繰り返され、長期的に高いインフレが続いています。
  • ジンバブエ(2000年代後半)
    過度な紙幣発行により、ついには「100兆ジンバブエドル紙幣」が登場しました。

もちろん、日本がこうした極端な状況にあるわけではありません。

しかし、「インフレが行きすぎるとどうなるのか」を知っておくことは、これからのお金の扱い方を考えるうえで大切です。

インフレに備えるために何をすべき?

インフレ時代に、私たちが考えておきたいのは “価値を守るか” という視点です。

今のご時世、お金をただ銀行に預けておくだけでは、残念ながら物価上昇に負けてしまいます。

そこで選択肢として挙げられるのが以下の3つ。

1. 外貨

円安の局面に備え、ドルなどの外貨を一部持つ方法です。

2. ゴールドやシルバー

昔から価値の下がりにくい資産として選ばれてきました。

3. ビットコイン

ANAPでも、将来をみすえてビットコインの保有を少しずつ始めました。

「なぜビットコインなの?」と思われる方もいるかもしれません。

詳しい理由は、この連載の中で丁寧にお話ししていきますが、ひと言でまとめるなら、

インフレが進む時代において、価値を守るための有効な選択肢のひとつ

だと考えているからです。

今回は深く触れませんが、選択肢として知っていただくだけで十分です。

まずは「気づくこと」からで大丈夫

インフレが「いつ終わるのか」を正確に予測することはできません。

不安にさせるつもりはありませんが、もしかすると終わらない可能性だってあるかもしれません。

だからこそ、まずは

  • なぜ値上げが続いているのか
  • お金の“力”はどう変化するのか
  • どんな守り方があるのか

この3つをやさしく理解しておくことが、これからの生活を守るための第一歩になります。

この連載では、そのようなお話について、みなさんと一緒に少しずつ整理していきます。

|文:yutaro
|画像:AIにより生成した、コンセプトを伝えるためのイメージビジュアルです

<本連載の著者>yutaro氏

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