11月24日に開催された、ビットコイン特化の国際カンファレンス「BITCOIN JAPAN 2025」。この日の終盤、ひときわ存在感を放っていたのが、女優・キャスターの菊川怜氏がモデレーターを務めたセッション「量子コンピュータでビットコインは終わる!? FUDを徹底検証」だった。
このセッションでは、ビットコインにまつわる疑念や不安を3人の専門家が一つずつ丁寧に解説した。本記事では、その模様をダイジェストで紹介する。
登壇したのは、ブロックチェーンの基盤研究を進めるchiantope CTOの安土茂亨氏、ビットコインの普及事業を進める日本ビットコイン産業取締役の加藤規新氏、再生可能エネルギーを活用したマイニング事業を行うアジャイルエナジーⅩ代表取締役社長の立岩健二氏。
ビットコインにまつわる誤解
ビットコインを語るとき、いまだ根強く残る「FUD」(エフ・ユー・ディーやファッドと呼ばれる)」が存在する。
FUDとは、Fear(恐怖)、Uncertainty(不確実性)、Doubt(疑念)の頭文字を取った略語で、否定的な噂や誤解が投資家の不安を煽り、市場に混乱をもたらすことを意味する。
ビットコインを巡るFUDの代表格が、「量子コンピュータが発達すれば、ビットコインの暗号は破られてしまうのでは?」というものだ。多くの人が一度は耳にしたことのある言葉だろう。
この問いを菊川氏がパネリストに投げかけると、chiantopeの安土氏はこう説明した。

「これはビットコインに限らず、インターネット全体の暗号に関わる課題です。現在は、量子コンピュータに対応した新しい暗号方式の標準化が国際的に進んでいます。ビットコインもそれに切り替えていくことで、安全性は十分に守られます」
次に取り上げられたFUDは「ビットコインは電力を浪費して環境に悪いのでは?」というものだ。これもまた、一般の人が抱きやすい不安の一つである。
この点について、アジャイルエナジーXの立岩氏は、「再生可能エネルギーは、需要と供給のバランスが難しい。余剰分をマイニングに活用できれば、環境に対してむしろ前向きな使い方になると思います」とコメントした。

個人をエンパワーメントするビットコイン
「政府が禁止したらビットコインは終わってしまう?」というFUDには、日本ビットコイン産業の加藤氏が次のように説明した。
「オープンソースであるビットコインは、簡単には止められない仕組みになっています。利用を禁止した国もありますが、それでもユーザーは存在しています」
さらに加藤氏は、ビットコインがもつ社会的な側面にも言及した。
「ビットコインは個人をエンパワーメントし、自己主権を与える技術です。金融面での国際連携は必要ですが、個人利用のルールを過度に厳しくしないほうが良いと考えています」
「信用するな、検証せよ」の精神
セッションの最後、登壇した3人から菊川氏にビットコイン業界で広く知られているマントラ(神聖な言葉)が紹介された。
「Don’t Trust, Verify(信用するな、検証せよ)」
この言葉について菊川氏は、「すごく冷静な姿勢」と驚きを見せつつ「正しく理解し、正しく恐れて、正しく備えることが重要だということですね」とコメント。この精神を忘れずに、ビットコインと向き合っていくと抱負を述べ、セッションを締め括った。
セッション終了後、菊川氏に行った単独インタビューは別途お伝えする。
|取材・文:橋本史郎
|編集:NADA NEWS編集部
|撮影:多田圭佑
